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いつも持ち歩くスマホを利用し、寄付を身近なものに【SUPPORT Shurijo プロジェクトとは?】

日本では、個人の自主的寄付が浸透していない


日本では、他先進国に比べて寄付が浸透していないと言われています。

個人寄付金額の総額で、アメリカでは年間30兆円、イギリスでは年間1兆円に比べて、日本では7700億円であり、先進国では低い方となります。その上、イギリスと総額が近いものの、寄付者率が、イギリスでは全体の約7割、日本では全体の約2割で、日本の寄付者率の低さが顕著となっています。[1]あくまでも推測となりますが、以下のような要因が考えられます。


<日本人の思考問題>

●日本では、家や地域で助け合う制度が戦前まで存在しており、所属先内で課題を解決しようとする思考が働きやすい

●日本では、所属する集団を重要視するため、その集団の枠をこえたアクションには発展しにくい

●日本では、何か問題がおこると、原因は個人にあり、個人の努力不足や怠惰のためと考える思考が存在し、困っても援助や支援を申し出にくい


<寄付教育の問題>

●日本では、寄付が一般化しておらず、裕福な人や、意識をもった特別な人がおこなう行為だと思われている

●寄付は、会社や団体が代表しておこなうものだと思っている

●日本では、寄付への啓蒙や、寄付の意味など教育を他先進国ほど、実施していない

●寄付や支援は、より大きな金額を寄付することよりも、行為そのものが重要である真髄が一般的に浸透していない


日本人は、そもそも助け合いの気持ちが強い、協調性を重んじる国民性をもっています。未曾有の震災後に、相当な寄付が集まるのもそのためです。 ただ、個人意思からの自主的な寄付や、未来へむけた社会への投資など、残念ながら日本人のマインドにはまだ根付いていません。まずは、日常的にその発想に慣れ親しむことからスタートする状況です。


わたしたちが、「SUPPORT Shurijo」を通じて実現したいことは、寄付や支援のハードルを下げ、より日常的な行為にすることです。そのためには、日本人の背景や価値観に配慮し、寄付や支援へのサポートが必要となります。



スマホをどこでも持ち歩き閲覧する、日本人の習慣をいかし、寄付や支援を日常化したい


いま、日本では、15歳~49歳の男女で約8割以上スマートフォンを所有しています。内、1日3時間以上利用が75%と、わたしたちの日常にスマートフォンはなくてはならないものとなりました。[2]

スマホをどこでも持ち歩き、閲覧する日本人の習慣をいかし、スマートフォンを通じて、支援や寄付を日常化するために、「Support Shurijo」アプリを開発します。このアプリを定期的にチェックすることを習慣化するため、以下のような、ユーザー参加のコンテンツ充実を考えています。


1)首里城復興についてみんなが知りたいことをユーザーより募集し、グラフ、図解、記事としてわかりやすく可視化して、定期的にPUSH発信


− 復興寄付の総額と不足金額、主なトピックスなど、グラフとレポートで定期的にお知らせしていく(アプリ上では、毎日情報を更新)

− ユーザーから復興についての疑問を募集し、多くよせられた質問をランキング、質問には取材を通じて回答していく

− アプリユーザーから復興にむけてのアイディアや意見を募集し、アプリ上で紹介していく、よいアイディアにはいいね!をし、反応を数値化する

− 現地写真と復興進捗をあわせて紹介、どのぐらい復興がすすんだのかをグラフィックでわかりやすく紹介していく

<現地写真と復興進捗をグラフィックスで表現する>


2)首里城復興や沖縄観光を支える人々を取材し記事にする。記事にあわせて、紹介した人やお店を支援するサポートメニューを案内する


− 復興に関わる瓦職人など職人にフォーカスし、日々の活動や新しい試みを紹介していく、職人支援品の購入や、制作のリクエストオーダーもあわせて案内する

− 店舗案内や新しい商品など沖縄観光に役立つ情報を紹介し、店舗で利用できるクーポンや支援品購入もあわせて案内する

− 復興に関わる人々を取材し、あわせて取材対象者が関わるプロジェクトへの支援方法を具体的に案内する



<復興や観光に携わる人々への取材と支援方法をあわせて紹介>


これらコンテンツの充実をはかることで、背景や現状を丁寧に、わかりやすく伝え、まずは課題に関心を持っていただく、結果支援の必要性を実感してもらうことを目指します。


少額から支援を可能にする、忙しい方向けにリピートコースを準備する、金銭のやりとりに抵抗がある人には購入支援を準備するなど、様々な思考や背景をもった人々が応援しやすいよう、支援メニューを豊富に揃えて、支援へのハードルを下げる工夫をします。


3)首里城復興に対する気持ちをアプリに集結し、実際に触れる体験が可能に。多くの思いに触れることで支援へのアクションに結びつく


このアプリで利用される3D首里城は、研究者や学生やエンジニアによりボランティアで取り組まれた「みんなの首里城デジタル復元プロジェクト」で作成されたものです。首里城にて撮影した写真と思い出をSNSで幅広く募集し、最新のAI技術にて3Dに復元させたものです。このアプリでは、その作れらた3D首里城を見ることができます。それと同時に、集められた写真と思い出を閲覧することができます。人々の思いに触れることで、自分に何かできることはないか、アクションへ結びつくきっかけになるのではないでしょうか。


「みんなの首里城デジタル復元プロジェクト」



<人々の首里城との思いを可視化する>


ゲームや、漫画、音楽を購入する選択のひとつに「支援」を加える、新しい価値観を提案する

わたしたちは、スマートフォンで毎日様々なアプリを利用しています。 ニュース、漫画、ゲームをはじめ、家計簿や万歩計アプリなど、それぞれのライフスタイルにあわせたアプリを選択しています。わたしたちはそれぞれのアプリを通じて、娯楽であったり、健康であったり、時間短縮であったり、さまざまな提供を受けています。 「SUPPORT Shurijo」アプリも、ぜひ選択のひとつとしてご活用いただけることをわたしたちは目指します。ただし、このアプリを通じて提供できるものは、応援や支援をする行為を通じて得られる心の充足感です。多様な価値観が存在する現代で、具体的な提供により満足感だけではなく、心の充足感にフォーカスし、アプリ活用の新しい価値観を提案したいと、わたしたちは考えています。


文章:松山幸世 参考文献[1]出典:寄付白書2017[2]スマートフォンに関する意識・実態調査2019(ソニー生命保険株式会社)

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